安全・安心で快適な生活を実現するためには、身の回りのモノ・コトに関する情報を計測する技術と、それをヒトとつなぐ情報通信技術が必要です。
これらを支えるために、ブロードバンドな通信技術と光・電磁波計測技術が求められています。
本講座では、これらの情報通信・計測技術とシステム制御技術の融合に関する研究開発を進めます。
光波応用分野
ヒトの視覚を支援するスマートな光計測デバイスの研究
- 製造業や農林水産業の現場で作業者の判断や労働を支援するシステムを構築するためには、スマートな機械の「眼」が欠かせません。この眼にはヒトの視覚機能を超える超ワイドバンド性(紫外から可視、赤外までを捉えることができる)と、高波長分解性(細かな色の違いを識別できる)、構成素子のコンパクト性が必要になります。
- 本講座ではこのような機能を有する眼、すなわちマルチスペクトル・イメージングデバイスを、微細加工技術を駆使して創造する研究と、画像化のための信号処理技術の研究を進めます。
- また特に近赤外光を利用して、物質の内部に含まれる成分の量・性質やそれらの時間変化を非破壊で計測する技術、現場での応用計測に向けた装置の開発にも取り組みます。
電磁波応用分野
宇宙から地上までの領域における高機能な電磁波応用研究
- ヘルツによる電波の実証実験から130年余、電磁波は欠くことのできない社会基盤の一つとなっています。
- 回路制御技術等を用い、地球や惑星の超高層領域の電波環境を調査するための観測ロケット搭載用電波観測システム開発の研究。
- 本講座では、宇宙から地上まで電磁波環境を調査するための観測ロケットや科学探査機に搭載する電波観測システムの開発や、3次元コンピュータ・シミュレーションを用いた自然電磁波の解析及び無線通信・計測システムの研究開発を行います。
- また、電磁波による位置情報取得技術を応用した、人・モノの位置情報推定に関する研究開発にも取り組みます。
- さらに、ネットワーク技術の開発や地理情報(GIS)を利用した各種災害発生時の避難支援システムの研究を進めます。
システム制御分野
超スマート社会を実現するシステム制御の研究
- 「超スマート社会」とは、電力、エネルギー、交通、水道、経済など異種からなるネットワークに対して、IoTを活用した連携による便利で安心な未来社会を意味します。本講座では、超スマート社会を実現するためのシステム制御の理論と技術に関する研究開発を行っています。特に、環境や農業といった視点も取り込むような新しい超スマート社会を目指しています。
- 電力・エネルギー運搬の視点から電気自動車をとらえ、配電系統の電圧・周波数管理や都市の経済活動の活性化に貢献する研究
- 大規模な農場に対して複数台導入された比較的安価な耕作機械の耕作経路やセンシングのアルゴリズムを開発することで、農作業の安全化や農場の環境に対する耐故障性に貢献する研究