在学生の声 ~半導体を研究している4年生にインタビューしました!~

半導体は身の回りの電子機器に組み込まれており、最近では自動車にも多くの半導体が搭載されるようになりました。電気電子工学科では、半導体デバイスの教育・研究にも力を入れています。今回は、卒業研究で半導体の研究をしている、清水研究室4年生の上口君に、研究の魅力について教えてもらいました!

上口君は4年生から半導体の研究を始めたと思いますが、なぜ半導体系の研究室を選んだのですか?

中学生の頃から、自作PCを作るのが趣味で、CPUの構造などを勉強したくて、電気電子工学科に入りました。CPUを構成しているのは半導体のトランジスタで、それがどうやって作られているのか?ということに興味がありました。なので、半導体デバイスを作ったり、解析したりできる研究室に入りたいと思いました。

どのような研究をしているのですか?

半導体のトランジスタの1種に、MOSFETというデバイスがあるのですが、一般的なMOSFETは、SiO2などの絶縁体をゲートという部分に用いて作られます。それを、私は電解液を用いたものに置き換えて、電解液と半導体との界面に生じる電気二重層を利用することを目指しています。これによって、デバイスの特性向上ができるのではと考えています。

キャパシタや、トランジスタなどの半導体デバイスを実際に作製して、ホール効果測定を行って、移動度などの特性がどう変わるのかを調べていきたいと考えています。

トランジスタを自前で作るのですか?大学内で半導体デバイスが作れるんですね!

電気電子工学科にはクリーンルームがあって、露光装置などの装置が揃っているので、簡単な構造の半導体デバイスは作ることができます。露光装置というのは、紫外線を照射することで、微細なパターンを半導体のチップ上に形成することができます。

(写真)微細なパターンを形成するための露光装置

また、ドラフトと呼ばれる装置を用いれば、デバイスの作製をする際に使用する薬品を安全に使うことができます。その他にも、デバイスを試作・評価する装置が多くあります。

(写真)薬品を安全に使うためのドラフト

研究は楽しいですか?

今は、ホール効果測定をするためのパーツを設計・作成したりしているのですが、大学のパステル工房や、物理学の先生などからアドバイスをいただきながら試作を進めています。試行錯誤しつつ作っているのですが、自分で工夫しながら“ものづくり”ができるのは楽しいですね。

(写真)作成したホール効果測定用のパーツ

研究室の他のメンバーも、“ものづくり”の研究をしています。薄膜を作っている研究をしていたり、LEDを使って微細なパターンを形成する研究をしたりしています。

(写真)半導体デバイスの電気特性の測定の様子

上口君は本学の大学院に進学予定ですよね。なぜ大学院を目指そうと思ったのですか?

就活のときに、大学院に行っていた方が有利かなと思ったので。学部卒だと、単に成績や人物像によって採否が決まるんじゃないかと思うのですが、大学院に行けば、研究での実績をアピールすることができるようになって、より専門性を見てもらえるはずと思ったので。

あとは、院卒の方が給料も良くて、良い企業にも入れると思ったから。長い目で見ると、進学したほうが得かなと。笑

将来はどのような企業で働きたいですか?

世界的な半導体メーカーで、最先端の半導体デバイスの開発に関わるのが夢です。半導体デバイスを作るプロセスエンジニアになれれば良いなと思いますが、半導体回路の設計というのも良いかなと思っています。

最後に、高校生向けにアドバイスをお願いします!

電気電子工学の分野は、将来も永久に無くならないので、この分野を学んでいれば、即戦力として重宝されると思います。自動車や医療分野でも、最近は電子部品が多量に使われています。ものづくりに興味のある人は、電気電子を勉強していれば、幅広い分野で活躍できるということを知っていただければと思います!

インタビューへのご協力、ありがとうございました!

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