卒業生の声 ~浜松ホトニクス株式会社 水野さん~
ノーベル賞受賞研究に貢献した「スーパーカミオカンデ」の光センサーをはじめ、医療やバイオなど最先端分野の光技術で世界をリードする「浜松ホトニクス株式会社」。その第一線でエンジニアとして活躍している、本学大学院修了生の水野さんにインタビューしました!

浜松ホトニクスはどのような会社ですか?
静岡県浜松市に本社を置く浜松ホトニクスは、光技術で世界をリードする企業です。特に、観測装置「スーパーカミオカンデ」に搭載された「光電子増倍管」という高性能な光センサーで、ニュートリノの観測に成功しノーベル物理学賞受賞につながった研究を支えたことで知られています。
実はそれ以外にも、医療、バイオ、材料、エネルギーなど、非常に幅広い分野で光を使った問題解決に取り組んでいる会社です。光センサーや光源といったデバイスだけでなく、専用の集積回路を組み込んだモジュールや、それらを含む計測システム、画像処理システムまで、開発から製造までを社内で一貫して手がけているのが特徴です。
現在はどのようなお仕事をされていますか?
入社してまだ1年目ということもあり、現在は研修を中心に業務を学んでいる最中です。最初の半年間は、当社の様々な事業や技術に触れるため、半導体を扱う部署や、電子管、あるいはシステム全体を開発する部署など、複数の現場を回ってきました。
現在は集積回路の設計を専門とする部署に配属されています。そこでは、より実践的な研修として、「この性能を満たす回路を設計してください」といった演習問題に取り組んでいます。その課題に対し、実際に回路を作り、それが仕様を満たしているかどうかを確認するという作業を行っています。大学での研究とはまた違った、製品開発に近い形でのものづくりを学んでいるところです。
なぜ、浜松ホトニクスに入社することに決めたのですか?
もともと「光」に興味があり、大学の研究で身につけた集積回路設計の知識を活かせる仕事がしたいと考えていたのが一番の理由です。また、プライベートの時間も作りやすく、残業が少ない部署が多いことや、バレーボールなどのスポーツ交流会も盛んで、新しい趣味も見つけやすい環境だと感じたことも決め手になりました。
富山県立大学の電気電子工学科で良かったところは?
研究室の規模が少人数であるため、先生との距離が近く、研究を進める上で気軽に相談しやすかった点が非常に良かったです。他の大学ではシミュレーションまでで終わることが多い中、本学では集積回路の設計からレイアウト、そして実際の測定まで、一貫してものづくりを経験できます。この経験は、他の大学の出身者と比較しても大きなアドバンテージになっていると感じています。
大学で学んだことで、今の仕事に役立っていることはありますか?
大学で学んだ専門知識はもちろんこれから役立っていくと思いますが、それ以上に、新しい分野にどうアプローチし、知識を身につけ、問題を解決していくかという「考え方」が、現在の研修で非常に役立っています。研修中は初めて触れることばかりですが、大学での研究活動を通して試行錯誤した経験が、新しい課題に取り組む上での基盤になっています。
最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします。
大学では、社会人になるとなかなか経験できない「研究」に打ち込むことができます。講義で学んだ基礎知識を土台として、自分の興味ある分野の研究に力を入れることで、より専門的な知識が深まり、学会発表などを通して実践的な経験も積むことができます。大学時代に自分が夢中になれるものを見つけ、将来に活かせるよう頑張ってください。その経験は、就職活動や社会に出てからも、間違いなく皆さんの力になるはずです。
仕事のやりがいや大学での学びが具体的に伝わってくる、いきいきとしたお話をありがとうございました!今後のご活躍を心より応援しております。
 
					
