在学生インタビュー ~憧れの宇宙へ観測ロケットを飛ばし、未知の現象に挑む~
今回は、電磁波工学を専門とする石坂・松山研究室に所属する修士1年生の坂野さんにお話を伺いました。観測ロケットを使った宇宙空間の物理現象の解明という、壮大なテーマに挑む坂野さん。研究の面白さや大学生活、そして将来の夢について語っていただきました!

(写真)石坂・松山研究室のメンバー。中央にいるのがインタビューに答えてくれた坂野さん。研究室の学生が設置したアンテナも写っています。
研究室では、どのような研究をしていますか?
私が所属する石坂・松山研究室は、主に「電磁波」を応用して宇宙を観測したり、無線通信技術を研究したりしています。その中で私は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の観測ロケットを用いた研究に取り組んでいます。
研究の目的は、ロケットを宇宙空間に打ち上げて、高度100 km付近で発生する特殊な物理現象を観測することです。特に、現象が起こっている場所の「電場」を精密に測定することで、その現象がどのようにして生まれ、どのような構造をしているのかを解明しようとしています。
研究室では、観測ロケットに搭載するアンテナや受信機といった電子回路を、基板の設計から部品のはんだ付けまで、自分たちの手で一から作り上げるので、ものづくりの実践的なスキルも身につきます。

(写真)基板加工機により、ロケットに搭載する回路基板を自分たちで作成します。
学部生の頃は、ロケットが宇宙で観測したデータを地上のパソコンでリアルタイムに表示するためのアプリケーションを、MATLABという専門的なソフトウェアを使って開発していました。そして今、私が開発に携わったロケットが無事に打ち上がり、貴重な観測データを得ることができたので、そのデータを解析して新しい発見を目指しているところです。

(写真)観測ロケットに搭載される回路の試作品
この分野に興味を持ったきっかけ、そして富山県立大学を選んだ理由は?
もともと『機動戦士ガンダム』が好きで、そこから宇宙やロケット、戦闘機といったものに興味を持つようになりました。
富山県立大学を意識し始めたのは、高校生の時に参加したオープンキャンパスです。そこで石坂先生の模擬講義を受け、「この大学では観測ロケットや人工衛星といった宇宙に関わる研究ができるんだ!」と知り、強く惹かれました。「私もここでロケットの研究をやりたい」と思い、入学を決意しました。大学1年生の頃から、石坂研究室に入ることを目標に、勉学に励んでいました。
研究のどのようなところに楽しさややりがいを感じますか?
一番のやりがいは、JAXAの観測ロケットの打ち上げ現場に行けたことです。JAXAの職員の方々や、全国の他大学の研究者たちとチームを組み、ロケットに搭載する観測機器の製作から試験、そして打ち上げ本番まで、一連の流れすべてに携わることができました。
教科書の中だけでは決して味わえない、本物の研究開発の現場を体験できたことは、本当に楽しく、貴重な経験になりました。

(写真)宇宙から届く観測データをモニターに映し出し、仲間たちと議論しながら解析を進めます
将来の夢や目標を教えてください。
将来は、航空宇宙業界に進みたいと考えています。特に、航空機や戦闘機の開発・製作に携わるエンジニアになることが目標です。大学での研究活動を通じて、この夢に一歩ずつ近づいていきたいと思います。
最後に、高校生へのメッセージをお願いします。
自分が本当にやりたいことを見つけるのは難しいと感じるかもしれませんが、一度自分の人生を振り返って「何が好きなのか」を考える時間を作ってみてください。私の場合はアニメがきっかけでした。どんなことでも、将来につながるヒントになるはずです。受験勉強は大変だと思いますが、頑張る期間は残りの数ヶ月です。そこを乗り越えれば、大学では自分の好きなことに打ち込める自由な時間が待っています。
そして、もし少しでも宇宙やロケットに興味があるなら、ぜひ富山県立大学の電気電子工学科に来てください。本物のロケットの打ち上げに立ち会えるような機会は、他ではなかなか経験できません。皆さんと一緒に研究できる日を楽しみに待っています!
宇宙への熱い想いが伝わるお話をありがとうございました!皆さんも坂野さんのように、自分の「好き」をエネルギーに、自分の手で創った観測機をロケットに乗せ、宇宙の謎を探る研究に挑戦してみませんか?興味が湧いた方は、ぜひ石坂・松山研究室のホームページをのぞいてみてください。
