地方大学から世界最先端へ。回路設計を極めて世界に挑む。

在学生の声

「地方大学からでも、世界の最先端へ行ける」そんな夢を現実に変えた先輩がいます。今回は、スマホカメラに使われる半導体の世界シェアNo.1の企業に内定が決まった修士2年の長崎さん(吉河研究室)にインタビューしました。

(写真)吉河研究室 修士2年 長崎さん

まずは内定先と、その企業を志望した理由を教えてください。

内定先は、ソニーグループの半導体部門を担う「ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)」です。スマホに使われている半導体イメージセンサで、世界シェアNo.1を誇る企業です。

イメージセンサとは、光を電気信号に変換する、カメラの「目」にあたる半導体部品です。皆さんが使われているスマホにも、おそらくSSSのイメージセンサが使われているはずです。

SSSを志望したのは、研究開発から製造、販売までを一貫して行える点や、研究開発への投資に非常に力を入れている点に惹かれました。学部3年生の頃から意識し始め、大学院での研究を通じて「最先端のイメージセンサに触れたい」という思いが強くなりました。決め手はインターンシップです。自由闊達な議論の場や、実際の業務の雰囲気を肌で感じ、「ここでキャリアを積みたい」と強く思いました。

SSSは難関企業としても知られていますが、内定の連絡が来た時の率直なお気持ちは?

「今までの努力が報われた」と素直に思いました。そして何より、「この大学で、この研究室で頑張ってきて本当によかった」と身に染みて感じましたね。

都市部を含めた全国の大学の学生がライバルだったと思います。面接を通して、長崎さんの何が評価されたと思いますか?

面接では、「新しいことに挑戦していく姿勢」や「様々なものを吸収しようとする意欲」を評価していただけたと思います。これらが、ソニーグループが求める人物像と一致したのではないでしょうか。

もちろん、大学でIC(集積回路)の研究に没頭してきた経験も大きかったです。研究を進める中でぶつかった課題や困難にどう対処したかという「知識以上の経験」が、大きな武器になりました。

選考の中で、大学での学びや経験が「活きた」と感じた瞬間はありましたか?

やはり「学会発表」の経験です。私はイギリスのロンドンで開催された「ISCAS 2025(回路とシステムに関する国際会議)」で発表を行ったのですが、世界中から論文が集まる舞台で発表したという実績は、就職活動でも非常に大きなアピールになりました。

面接官の反応も良く、国際会議での発表経験が自分自身の自信にも繋がりました。日頃の研究成果をしっかりと積み重ねていたおかげで、上位大学の学生とも十分に渡り合えるということが実感できました。

いわゆる大手企業に入ろうと入学当初から思っていましたか?

県大に入学した当初は「まさか自分がここまで大手に行けるとは」と期待していなかった部分は正直あります。しかし、過去の先輩方が素晴らしい企業に進んでいる実績がモチベーションになりましたし、何よりこの大学でしっかりと研究に取り組んできた自負がありました。

就活を進める中で、自分の目指すエンジニア像とSSSの環境が一致していると確信してからは、大学名に関係なく挑戦できました。

春からは実際に働くことになりますが、どんなエンジニアになりたいですか?

課題の本質を見極められる、質の高い仕事ができるエンジニアになりたいです。世界最先端の環境で働けることに今からワクワクしています。

最後に、「将来、大手企業に入りたい」と思っている高校生に向けて、メッセージをお願いします!

富山県立大学の電気電子工学科では研究環境や教員の指導体制が充実しており、「集積回路設計」をここまで本格的に扱える大学は、地方ではなかなか珍しいと思います。世間で有名な大学にも引けを取らない研究環境や制度の下で、専門性を磨くことができます。

高校生のみなさんに伝えたいのは、「どこの大学に行くか」よりも、そこで「何をするか」が一番重要だということです。

たとえ有名な大学に入っても、そこで努力しなければ先はありません。逆に、富山県立大のように学生と先生の距離が近く、専門的な研究に打ち込める環境でしっかりと自分のやりたいことを突き詰めれば、夢は必ず叶います。その第一歩を、ぜひこの大学で踏み出してください。

学会発表などの経験を自信に変え、堂々と夢を掴み取った長崎さん。これからの活躍を心から応援しています!

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